マテリアリティ特定のプロセス
私たちNCDグループでは、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すうえで、中長期的な視点で優先的に取り組むべきことを環境・社会・経済の観点を含めて検討し、マテリアリティ(重要課題)を特定しました。
マテリアリティは、当社の経営理念を踏まえたものであり、当社グループの経営戦略の策定などにおいて重要な要素と位置付けていきます。
STEP1:社会課題の抽出
SDGs、GRIスタンダード、ISO26000などのガイドラインや、当社グループの経営方針、当社グループの属する情報サービス業界、自転車駐輪場業界が抱える課題・リスク・機会の認識などを踏まえ、今後深刻化が予想される社会問題や世の中の変化に関連する社会課題を抽出しました。
ガイドライン
- SDGs
- GRIスタンダード
- ISO26000
など
NCDグループの経営方針
- 経営理念
- 経営戦略
- 人事戦略
- ガバナンス体制
など
事業環境
- 情報サービス業界
- 自転車駐輪場業界
など
社会問題や社会変化
環境
- 気候変動の進行
- 自然災害の増加
- 資源・エネルギーの枯渇
- 環境汚染
- など
社会
- 人口減少・高齢化の進行
- 都市部への人口集中
- ダイバーシティ
- 働き方改革
- 感染症の拡大
- など
経済
- 景気後退
- 財政の悪化
- インフラの老朽化
- デジタル変革
- など
STEP2:重要度評価
当社グループのサステナビリティ基本方針に基づき、中長期的な視点で社会課題の解決に貢献できる様々な取り組みを各部門にて検討し、STEP1で抽出した社会課題50項目を20項目まで絞り込みました。
この20項目を、社外取締役や有識者の意見も交えて「ステークホルダーにとっての重要度」と「自社にとっての重要度」を2軸として、マテリアリティマトリクスにマッピングしました。

STEP3:マテリアリティの特定
STEP2における重要度評価の妥当性を、当社グループらしさや強みを発揮できるかなどの観点から改めて協議したのち、取締役会において当社が優先的に取り組むべきマテリアリティを特定しました。
また、マテリアリティとSDGs(持続可能な開発目標)に掲げられている目標との関連性について以下のとおり整理しました。
マテリアリティ
①カーボンニュートラル実現への貢献
- DXの推進
- 高付加価値な駐輪サービスの提供
②安心・安全で豊かな社会づくり
- レジリエントな社会インフラの提供
- 地方創生への貢献
③多様な人材が活躍できる社会へ
- 人権の尊重とD&Iの推進
- 働きやすさと働きがいの両立
- 次世代リーダーの育成
④社会からの信頼を
- ガバナンス体制の高度化
- コンプライアンスの推進
- 適切なリスクマネジメント
マテリアリティとSDGsの関連性
当社グループは、マテリアリティへの取組みを通してSDGsの目標達成に貢献してまいります。
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クオリティ・オブ・ライフの向上に貢献
自転車活用の推進や、駐輪サービスの高付加価値化・多様化などによって、移動手段の確保や人々の健康増進に貢献します
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未来を担う次世代リーダーの育成
充実した教育プログラムや人事制度の整備によって、組織の将来を担い、新たな社会を牽引する人材の育成に努めます
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従業員の多様性を支援し、公平かつ様々なライフステージに合った働き方を
女性の活躍推進や、ライフステージの変化に合った働き方への対応など、従業員が遺憾なく能力を発揮できる社会を目指します
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再生可能エネルギーの有効活用
太陽光などの再生可能エネルギーを活用した駐輪サービスなどを推進します
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エンゲージメントの向上
従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる働きがいのある職場環境づくりとともに、企業価値の向上を目指します
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最先端のIT技術により、デジタル社会の実現に貢献
お客様のDX支援や情報セキュリティの提供などを通じ、安心・安全で質の高い社会インフラの構築に貢献します
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誰もが安心して働ける職場環境を
従業員一人ひとりの個性が尊重され、心身ともに健康に働くことができるよう、コンプライアンスや健康経営を推進します
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災害に強いサービスの提供や、地方創生に貢献
災害時にも安心して利用いただけるサービスの提供や、地方での雇用機会の創出等に貢献します
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自動車社会からの転換を促進し、CO2低減に貢献
デジタル化の推進や、自転車利用環境の整備など移動手段の多様化を図ることで、自動車社会からの転換を促進します
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社会との協調、ステークホルダーとの共存共栄を図り、持続可能な社会の実現に貢献
社会やステークホルダーとの連携を強化し、事業を通じた社会課題の解決に取り組むとともに、持続可能な社会の実現に貢献します
4つのマテリアリティと主要施策・KPI
1.カーボンニュートラル実現への貢献
主要施策 | KPI | 2024年3月期の実績 | |
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DXの推進 | 高度DX人材の育成 | DX人材研修の実施 | データデザイン・データサイエンス等の研修実施 |
高付加価値な駐輪サービスの提供 | 顧客の利便性向上と人手不足解消の実現 | 導入箇所数 | 月極駐輪場ECOPOOL累計約300カ所、10万台超(前年比:約30カ所、15,000台増加) |
2.安心・安全で豊かな社会づくり
主要施策 | KPI | 2024年3月期の実績 | |
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レジリエントな社会インフラの提供 | クラウド案件の獲得 | クラウド資格保有率 | 70.5% |
地方創生への貢献 | 地方拠点活用による就労機会の創出 | 地方拠点人員数 | 主に長崎、福岡拠点で320名超に拡大(前年比約50名増加) |
3.多様な人材が活躍できる社会へ
主要施策 | KPI | 2024年3月期の実績 | |
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人権の尊重とD&Iの推進 |
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働きやすさと働きがいの両立 | エンゲージメントの向上 | 男性育児休業取得率 | 60.0% |
次世代リーダーの育成 | 自律的キャリア形成プログラムの充実 | 研修制度の再整備 | DX推進人材育成コンテンツと既存ビジネススキル研修の統合を推進 |
4.社会からの信頼を
主要施策 | KPI | 2024年3月期の実績 | |
---|---|---|---|
ガバナンス体制の高度化 | 取締役会実効性評価の実施 | 実効性評価の実施 | 2024年3月アンケート実施、5月取締役会で評価 |
コンプライアンスの推進 | コンプライアンス委員会の実効性向上 | 研修受講率 | 受講率100%(情報セキュリティ研修、著作権法研修など) |
適切なリスクマネジメント | 全社的リスクマネジメントの推進 | 全社統一項目によるリスク評価実施 | NCDグループリスク評価を実施 |
推進体制
当社では、サステナビリティ基本方針に基づきサステナビリティ推進活動をグループ横断的に実施するため、サステナビリティ推進委員会を設置しています。
本委員会においてサステナビリティに関する重要方針や推進活動計画についての審議などを行い、取締役会へ報告します。
サステナビリティ推進委員会は、当社社長を委員長とし、常勤取締役、各部門長、その他委員長が任命する者を構成員として年2回以上開催します。
各部門や子会社と連携して活動を推進するとともに、進捗や成果を共有し、さらなる改善や新たな取り組みにつなげていきます。
